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光通信メディア工学




授業の概要

光ファイバーや光導波路はコアとクラッドからなり、クラッドよりも屈折率の高いコアに全反射で光を閉じ込めて伝送します(通常の通信用光ファイバーの場合、コアの屈折率は1.451程度、クラッドの屈折率は1.447程度です)。コア中の光の伝搬角は任意の角度が許されるわけではなく、下図に示されるようにコアの軸に対して垂直な方向に定在波が形成される特定の角度でのみ伝搬できます。光信号を高速に長距離伝送するにはコア中の光の伝搬角を1つだけにすることが必要で、コアとクラッドの屈折率差やコアの寸法を適切に選ぶことにより伝搬角を1つにできます。

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光ファイバーや光導波路は光通信システムの伝送路だけでなく、光デバイスにも応用されています。光導波路の2つのコアを近づけることで、コア間で伝搬光のエネルギーを移行させることができます。コアの屈折率を長手方向に周期的に変化させることで、特定の波長において前方に進む光と後方に進む光の間でエネルギーの移行が生じます。これらの現象を利用した光デバイスが実用化されています。下図はファイバーブラッググレーティング(FBG)と呼ばれる光ファイバーデバイスを示したものです。コア中の屈折率変化の周期 ($\Lambda$) によって決まる波長(ブラッグ波長 $\lambda_{B}$)の光は反射され、その他の波長の光は透過します。

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