MENU

ナノエレクトロニクス工学

授業の概要

ナノスケールとは、1メートルの100万分の1の大きさから1億分の1程度の微小な大きさの世界を指します。このような微小なサイズの電気回路を実際につくることができます。電気回路では、電流が電圧に比例するというオームの法則を習ったかもしれませんが、このような微細な回路を流れる電流はオームの法則と異なるものになります。

回路を流れる電流は、電子という粒子の流れであることを習ったと思います。ナノスケールの微細な回路においては、電子は粒子であると同時に波であることを考える必要があり、量子力学を用いて電流を考えなければなりません。電子はマイナスの電荷を持つことに加えて、スピンと呼ばれる磁石のもとになる性質をもっています。電子は2つのスピンの状態(図の赤い矢印と青い矢印の2状態)をもっており、どちらのスピンの状態にあるかによって、電流の流れ方が変わってきます。

下図は、微細な電気回路の代表例として知られる、量子ポイントコンタクトと呼ばれる、微小な大きさのくびれ構造を通して流れる電流の様子を模式的に示したものです。2つのスピン状態をもった電子が流れることになります。このような量子効果デバイスの動作原理の基礎知識を学び、デバイス応用の概要について学ぶことを目的とした授業を行なっています。

 ;